「――千里ヶ崎燈哉も、調査には出てるの?」
という拍子木の問いに、ゆいは言葉にはせず、一度だけ頷いた。補足する。
「昨日、早速色々と調べて回ったんだけど、人為的とわかるにせよ、どうやって木霊現象を起こしているのか、どうして木霊の四辻だの呪いだのを流布しているのか、目的がわからなかった」
そして、問い返す。
「どうして、木霊の四辻なんて噂を生み出す必要があったのか? それが掴めないの。そっちじゃ――風紀委員じゃ、なにも情報はない?」
「情報って?」
「ふふん、とぼけちゃって」
ゆいは不敵に笑った。
「風紀委員が――特にアンタが、ただ指をくわえているわけがないでしょ。表立って調査はできないにしても、いろいろ集めているんじゃあない?」
「……」
沈黙が、図星の証明だった。そう、ただ木霊の四辻について調べるのなら、だれにでも許され、だれにでもできることなのだ。
その時、また教室のドアが開き、瀬戸岡亜美が入ってきた。燈哉とは違い、クラスのひとりひとりに挨拶をし、にこやかに手を振っている。まるでではなくアイドルのようだった。
という拍子木の問いに、ゆいは言葉にはせず、一度だけ頷いた。補足する。
「昨日、早速色々と調べて回ったんだけど、人為的とわかるにせよ、どうやって木霊現象を起こしているのか、どうして木霊の四辻だの呪いだのを流布しているのか、目的がわからなかった」
そして、問い返す。
「どうして、木霊の四辻なんて噂を生み出す必要があったのか? それが掴めないの。そっちじゃ――風紀委員じゃ、なにも情報はない?」
「情報って?」
「ふふん、とぼけちゃって」
ゆいは不敵に笑った。
「風紀委員が――特にアンタが、ただ指をくわえているわけがないでしょ。表立って調査はできないにしても、いろいろ集めているんじゃあない?」
「……」
沈黙が、図星の証明だった。そう、ただ木霊の四辻について調べるのなら、だれにでも許され、だれにでもできることなのだ。
その時、また教室のドアが開き、瀬戸岡亜美が入ってきた。燈哉とは違い、クラスのひとりひとりに挨拶をし、にこやかに手を振っている。まるでではなくアイドルのようだった。