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部屋は二間ある。入ってすぐのところはシステムバスになっており、その奥がダイニングキッチン、そして寝室兼リビングとなっている。ここは二人部屋のため、リビングの壁には二段ベッドが設置されていた。現在、リビングのテーブルに三人分の紅茶とクッキーが置かれている。それぞれクッションに、燈哉があぐら、その左でゆいが横座り、対面するように今野佐紀が正座している。
今野佐紀が逃亡を図った理由を聞き、ゆいは溜め息を漏らした。
「木霊の呪いが、今野先輩にも及んでる……そう言うわけですね?」
「そうなの……。麻衣子があんな風になっちゃって、少し、してから……」
「それで、なんで私達から逃げるんですか」
「だって、その……つい」
「ついって」
「ご、ごめんね」
落ち着いたからか、下級生の自分達に敬語もおかしいと思ったのだろう。今野佐紀は普段の自分の口調で喋っていた。ただ、普段の口調からでも弱腰であるが。
部屋は二間ある。入ってすぐのところはシステムバスになっており、その奥がダイニングキッチン、そして寝室兼リビングとなっている。ここは二人部屋のため、リビングの壁には二段ベッドが設置されていた。現在、リビングのテーブルに三人分の紅茶とクッキーが置かれている。それぞれクッションに、燈哉があぐら、その左でゆいが横座り、対面するように今野佐紀が正座している。
今野佐紀が逃亡を図った理由を聞き、ゆいは溜め息を漏らした。
「木霊の呪いが、今野先輩にも及んでる……そう言うわけですね?」
「そうなの……。麻衣子があんな風になっちゃって、少し、してから……」
「それで、なんで私達から逃げるんですか」
「だって、その……つい」
「ついって」
「ご、ごめんね」
落ち着いたからか、下級生の自分達に敬語もおかしいと思ったのだろう。今野佐紀は普段の自分の口調で喋っていた。ただ、普段の口調からでも弱腰であるが。