「あの頃は、美音の涙を見ると、
いつも不安になっていた。
自分が、苦しめているんじゃないかって。
無理させているんじゃないかって。
でも・・
美音には、いろいろ深い悩みや苦しみがあったんだよな。
気づいてやれなくて、本当にごめん。
でも、今の俺は、
どんなことがあっても
美音を支えてやることができる。
守ってやることができる。
あの女の子が現れなくても、
ちゃんと、自分に自信がついたら
美音にもう一度会いに行くと心に決めていたんだ。
だから俺は
頑張ってきたんだ。
夢を叶えたよ。美音。
俺は
優が手術した東京の病院の医者になった。
まだ…研修医だけどな」