成海くんは優しく私のほっぺをなでた。



「美音、俺は美音の全部が好きだよ。


誰に会っても、美音より好きになる女なんか現れないよ。

不安になることなんかひとつもない。

俺を信じろ、美音。

この気持ちは、絶対にかわらない」





「成海くん…高校に行って、かわいい女の子がいっぱい近づいてきたらどうする?」





成海くんは、ふっと笑った。


「美音は、少し人の外見を気にしすぎだよ。

美音とお母さんの関係を思えば、そうなってしまうのは、しかたないかもしれないけど、

人は見た目だけで判断されるものではないだろ。

それに、美音は決して他の女の人よりも、劣っていることはないよ。

もう少し、自分に自信を持ったほうがいい。

それに…」




「それに?」




「俺が受験するのは、K高校だよ。男子校だ」