「名前は?」

彼女は少年に問うた。

「漣犀(レンセイ)。今年で十五」

少年は彼女に問うた。

「お姉さん、俺に人の殺し方を教えてくれる?」

彼女は少年の奇妙な魔力に負けた。


「ああ、良いよ―漣犀」


彼女とさえ出逢っていなければ、少年が崇められる事は無かったのに。
少年とさえ出逢っていなければ、彼女の運命が狂う事は無かったのに。