へぇ、と艶っぽい声を漏らし、少年は卓の上に置かれていた小刀をおもむろに手に取った。玩ぶかの様な手つき。何処か人形じみた雰囲気。

「えい」

彼女に向けて軽く刀を振ってみる。一瞬眉をひそめたが、彼女は直ぐに笑って、「馬鹿だなお前は」と言った。

人一人殺せない様な手つきは、本当に人形が踊っているようだった。

唇を重ねて、お互いを求めて。彼女と少年の関係は、それで終わる。その筈だったのだ。