「何…!」


ほぼ同時に漣犀と藍侫は立ち上がる。やられる前にやってしまえ、玲の国力の前に捨て身の突撃ではあったが、滅亡を少しでも遅らせようとしているのだろうか。それとも何か、時間稼ぎをしなければいけない事情でもあるのか―…等と考える隙も無かった。


「とにかく、指揮は私が預かる事になった。藍侫、将軍達を直ちに集めて兵を整えろ。何人かの近衛兵も既にその作業に当たっている。…漣犀、お前は……戻れ」


藍侫が走って部屋を出ていく。


残されたのは、指揮官と一兵卒。