「久しぶりだね、あの時の」

「そうですね、『お兄さん』」

退出し、春鈴と王が軍事の話し合いをしている間待つことになった一室で、漣犀はその男と話していた。

「随分大きくなったものだね、あんなに細かったのに」

「そうでしょうか?」

「…お前と一夜を過ごしてから、少し前を向けたんだ。あの時は、俺の話を聞いてくれて有難う」

「礼には及ばないですよ」

顔の前でひらひらと手を振って、漣犀は笑う。