……………が。



何も起きないからそっと目を開けるとまだ至近距離に凌の顔があった。


『……ウッ。……ッ。…ヒック』


凌に告白した女の子の泣き声が聞こえる。


すると凌はそっと顔を離した。



『…俺、あんたよりこいつの方がタイプかな。』


そう言って凌はあたしの頭に腕を乗せた。


『……ッ。』


それがかなりショックだったのか女の子は泣いたまま部屋を出ていった。



わざわざそんな酷い振り方をしなくたって。
もっと「ごめん。」とか言う言葉があるんじゃない? 

だいたいあんな至近距離で寸止めなんて……。


って!!!!
これじゃあ、あたしがキスされたかったみたいじゃんか!



あたしは凌なんか好きじゃないんだから!