階段を上っている途中で泉に呼び止められた。



「本当に優羽様を愛してらっしゃるんですね」


俺は思わず振り返る。


泉はクスクス笑っていた。



「達也様を見てたらわかりますよ。優羽様のことになると感情的になりますし」



そういえば、そうかもしれない。


優羽のことになると自分を上手くコントロール出来なくなる。



「悪いかよ」



「いいえ、まったく。私の見る限り優羽様も本当に幸せそうです」



「…何が言いたい？」



すると、それまで笑ってた泉が真剣な顔になった。




「だから…どうか優羽様を守ってください。
せめて…優羽様を悲しませないでください」


泉の目は真剣だった。



「…当たり前」