達也に言われて顔をあげてみると…












「綺麗……」














私は思わず呟いた。



目の前には…

ピンクのバラが一面に広がっていた。



「どう?」


達也が私の顔を覗き込む。



「すっごい綺麗!!!こんなの初めてだよ!!」


こんな一面の薔薇なんてテレビでしか見たことないよ!




「よかった!」


達也は満面の笑顔で笑った。



またその顔のせいで真っ赤になってしまった。




――私…達也のこと好きなんだ。




とうとう気づいてしまった。


――ううん…本当はわかっていた。
達也が好きだって…


でも認めるのが嫌で、認めてしまうと傷つきそうでずっと気づかないふりをしてきた。