「あとは…いつまで俺のことを名字で呼ぶつもりだ?」


本条は私の目を見る。



その瞳に不思議とドキドキする。



「いつまでって…」


私は目線をずらす。



「俺はあの日から『優羽』って呼んでんのに、お前はずっと『本条』じゃん」



「名字じゃ嫌なの?」



「家でまで名字で呼ばれたくないんだよ」



最ものような理由を言われて否定出来ない。



「で…でも…」


男の人を名前呼びなんて、あんまりしないから緊張するんだよねι



私が黙って目を伏せてると本条が私の顎を持った。


目の前に本条の顔が広がる。



「優羽。名前で呼べ。

――呼ばないならキスするぞ」



「わっ…わかったよ――たっ、達也…」