私は少し顔を伏せた。


「嫌というか…結婚相手としてダメなの!」



「好きじゃないから?」


本条が追求してくる。



覚えてたんだ…



「そうだよ。本条だって私のこと好きじゃないんだし」



私が言った瞬間、本条の眼が曇った気がした。



「まぁ、お前の意見は却下だから。残念だなっ」


本条はニッと笑う。



「あっ!もうこんな時間だ。そろそろ帰んなきゃ」


ふと携帯を見ると7時を回っていた。



「そうか。せいぜい最後に自分の部屋を満喫しな」



えっ…
それってどういう意味?



すると本条がニヤッと笑って


「優羽は明日、俺の家に引っ越すんだぜ」



「…なんで!?」