そういえば、こういうお祭りごとが好きなお母さんが何も言っていない。


不思議に思ってふと見てみるとハンカチで目を覆っていた。



「お母さん?」



声をかけるとお母さんが慌てて顔をあげた。



「優羽…綺麗よ」




私はびっくりした。


だってお母さんの目元が赤くなっていたから…



「美空ったら感動しているのよ」



紗幸さんがこそっと言ってくれた。



お母さん…





“コンコンッ”



「優羽、準備できたか?」



ドアを叩いて達也が入ってきた。




かっこいい・・・!



部屋に入ってきた達也は白いスーツに包まれていて、つい見入ってしまった。



高校卒業したてとは見えないよ。