そして私たちはあの時と同じ部屋に入った。








「用件は…あの時の話だね?」







智和さんの問いに私は頷いた。



「あの時って…?」


達也は話の意味がわかっていなくて私のほうを見た。



心の中じゃ怖くて震えてたけど勇気をだして話し出した。



「私は確かにずっと不安がありました。
達也は極道と会社の跡取り、それに対して私は一般人。
住む世界が違うんじゃないかって。

達也が私のことを思ってくれていることはわかってます。


それでも…気持ちだけがあっても駄目じゃないかって…

ずっと心の底では悩んでました」



「優羽…」


隣から達也の切なく呟く声が聞こえた。