「ぁ…ぁりがとぅござぃます」


ハンカチで涙を拭いたけど、止まらなくなってしまった。



これは不安の涙じゃない。


嬉しい涙だ。



ずっと悩みを言えなくて泥沼に入っていた私の心を紗幸さんは救ってくれた。



私は泣き止んで紗幸さんの目を見た。



「紗幸さん、1つお願いがあります」















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紗幸さんと別れた後、私は家に帰った。



ドキドキしながら部屋に入ると達也はパソコンにむかって仕事をしていた。



「達也…」


声をかけると少し驚いた感じで振り返った。



そういえば智和さんと話してから私から話しかけなかったっけ…?