知らなかった。

紗幸さん達にそんな過去があったなんて…



「周りから反対もあったんだけどなんとか説得して結婚したの」


紗幸さんは幸せそうに笑った。



「優羽ちゃん…結婚前提に付き合うということは簡単なことじゃない。
まして普通の家でないならね…

でもね、自分の気持ちが本物ならきっとどんな壁でも乗り越えられると思うの。
年なんて…周りなんて関係ない。

相手を思う気持ちが何よりも大切だと思うわ」



紗幸さんは私の気持ちを汲み取るように言ってくれた。



紗幸さんの言葉に私の頬に涙がスーッと流れた。


その言葉は立場とかで悩んでいた私の心の中の壁を取り除いてくれた気がした。



紗幸さんはそっとハンカチを差し出してくれた。