紗幸さんは運ばれてきた紅茶を1口飲んだ。



「…私と夫が出会ったのは私が大学4年の秋だった。
知人の紹介で知り合ったの。

私、あの人が話してくれるまで極道だって気づかないほどあの人は明るく楽しい人だった」



優しい顔で話し出した紗幸さん。


…でも何でだろう?なんだか切なそうに見える。



「最初は友達だったんだけど会う度に惹かれていって…いつしか、付き合うようになった。

でもね、付き合って1年ぐらいしてからあの人が極道の組長だと教えられたの」



紗幸さんは私と一緒だったのかな?



「びっくりしませんでしたか?極道だって聞いて…」



「もちろん驚いたわよ。最初は信じられなかった。

でもね…その頃にはもうあの人と離れることが出来ないくらい好きになってた…」