「優羽。この人が優羽の婚約者の本条達也君よ」



お母さんが本条に手を向けて言った。



私は頭の中が混乱して頷くことしか出来なかった。



「お母さんと紗幸は学生時代からの友達でしかも、お父さんと達也君のお父さんも知り合いでね、お互い子供を結婚させたいねって言ってたのよ♪」



「あっ!ちなみに達也の父親は今日は都合が悪くなって来れなくなったの」



2人は早口で話す。

余程、仲がいいんだろうとも思った。



「じゃあ、お母さん達はそんな理由で私達を婚約させようとしているの?」


私はお母さんを睨みつけて言った。



「もちろん、それだけの理由だけじゃないさ」


父さんが口添えした。