ほら、今日だって。


「佐伯くん~おはよぅ!
今日もかっこいいね!」
「はぁ。そうでもないよ…。」
「そんなことないって!
佐伯くんはすごくかっこいいもん」

「ねぇ佐伯君、今日お昼よかったら、私たちと一緒に食べられない?」
「ごめん、俺いつも友達と食べてるから。」
「じゃぁまたの機会に誘っていいかなぁ?」
「いや、だから…
まぁいいよ、誘うだけなら」



確かに、李音は昔からかっこよかったけれど。
まさかここまでもてはやされるとは思っていなかった。

まぁね?
かっこよくて
背が高くて
バスケ部で
先輩を差し置いてレギュラーになるくらいの実力を持ってるのだから
そうなるだろうなという気もする。


でも、彼が“もてはやされている”のが、嫌だった。

それは多分“私の幼馴染”が、だれかにちやほやされるのが嫌だったから。


李音を好きなのは私だけでいいと思ったから。