「やっぱ俺の幼馴染だな、お前」

そう言って、ぽんと私の頭を叩いた。

「?なんで?」
「お前には教えてやんね。

さてと、いい加減いかねぇと先輩に怒られるし、
俺部活行って来るわ。

もう“親衛隊”とかいうのもいなくなっているだろうしな」


それを聞いて、
親衛隊がいたから部活を抜け出してきたのが分かる。

そりゃ、真剣に部活をやっているときに
きゃーきゃー騒がれたら、たまったもんじゃないものね。


「じゃ、アキ。

…またこうやって放課後、あったら話そーぜ。」

返事をする前に彼は、教室を出て行ってしまった。


でもそのほうが好都合だったのかもしれない。
だって、私の頬は熱があるかのように熱くなっていたから。

彼がまたしゃべろうと言ってくれたことに、
また名前を呼んでくれたことに…。