「う、るさいなぁ…
いいじゃん、女の子って、大抵そんなものだよ」
「そーかー?」
「そーだよ!」

都合の悪い話題を変えたくて、
返事を待つ前に、こちらから話題を切り出した。

「で、どうしてここにいるの?
バスケ部じゃなかった?」

「あぁ、うん。おサボり。」
「え、ええぇぇぇ!?
先輩を差し置いてレギュラーになったのに!?」

彼は目を丸くさせて。

「どうして、お前知ってるんだ…?」

思わずしまった、と口を押さえる。
彼の噂を知っている=意識している
ってことが、バレバレじゃない。
必死にごまかそうと、適当に言葉をつむぐ。

「が、学園の一番人気のある
“王子”の噂となれば、嫌でも耳に入るよ!」

そう言うと、彼は眉をひそめて、
すごく不機嫌面になる。