「圭介?圭介?」



それからどのくらい経っただろう。

翔の声で現実に戻った。


佑香も落ち着いていた。




「ずっと黙っててごめんね。」


「佑香は何も悪くない」



そう。


俺が気づいてやれなかった・・・



絢が一人で悩んでいるのに。



俺は何も言ってやれなかった。


助けてやれなかったんだ・・・・






「自分を責めるなよ。
 圭介だって悪くない。」


翔はすべて分かったかのように言った。


「センキュ」



「・・・絢。」


また佑香の目から涙が溢れ出した。