「何を知ってるのよ?」


山崎が大声を出した。

明らかに焦っている。




「紗枝が・・・」


「あたしが何よ・・・・」


「紗枝が・・・紗枝が絢を苦しめているのよ!」


「・・・・・」


「あたし絢から聞いたの。
 紗枝から言われたこともそれが嘘だったことも。
 全部聞いたのよ。
 でも言っちゃ駄目だって。
 絢は全て一人で抱え込むつもりよ・・・・・」



それだけ言って佑香は泣いてしまった。




「どういうことだよ?」



我慢できずに山崎に詰め寄った。




「圭介・・・・」



「圭介って呼んでいいのは絢だけだ。」



「っ!」



「絢になんて言ったんだよ!?」