そう考えていると、
すぐそこに“2-A”の
プレートが見えた。
古くさいドアを開けると、
笑い声やしゃべり声が
耳に突き刺さってくる。
その中を通り、
自分の席へ辿りついた。

「あ! 優!」

1人の男がそう言うと、
いつものグループがご主人を見つけた
飼い犬のように駆け寄ってくる。

「優~、おはよぉっ♪
 この学校、クラス替えないから
 ずっと持ちあがりだよお★」

あー、こいつ…
誰だっけ。
あぁ、そうそう。
確か…萌絵…だっけ?
あれ?何か違うな。
萌花?
萌美?

「もー、萌乃は
 テンション高すぎっ!」

隣にいた女子がそう言い、
やっと名前を思い出した。
そうそう、萌乃だ。