「おう、どうした?」


「どうしたもこうしたもじゃないよ!何で、電話しても出ないの?」
マナミは完全に切れていた。


「あ、ごめん、マナーモードにしてて気付かなかった」


アキヒコは話しながら、ドアスコープを覗いた。


「何それー、酷いなぁ」
そう言って、ドアの向こうでふくれているマナミは人間の顔をしていた。


「ねぇ、せっかく、長い夏休みなんだから、どっか行こう?んでさ、とりあえずドア開けて」
マナミは軽くコンコンとノックした。