「修のお兄さんが帰ってくるからでしょ?」
「…!」
「わかりやす…。修のお兄さんって、もういい大人でしょ?相手にされないって。」
「そんなことないもん。もう私だって高校生だし。」
それに、ボンキュボンまで行かなくても、それなりにスタイルには自信がある。
「向こうから見たら、高校生なんてまだまだ子供だよ。まぁ確かにかっこいいけど、26って言ったらオジサン…」
友達の口をふさいで、それ以上の言葉を飲み込ませる。
年が離れてる?
遠距離?
そんなの関係ない。
だって、世界中のどこに居ても、私が会いたいのは恭ちゃんしかいないんだから。
私の愛しい人。
それに知ってるから、一線を越えた後はみんな、慣れ合いになってしまって、新鮮に思い合うこと忘れてくんでしょ?
裸で抱き合う一瞬の時間より、ずっと愛し合いたい。
田舎娘の理想の恋。
隣で彼氏と電話してる友達にはきっとわからない。
明日会うことはなくても、電話で声を聞くだけで満たされるほど、愛しい気持ち。
小さいころから、ほんとのお兄ちゃんみたいに一緒に過ごしてきた、幼なじみ。
幼なじみって言うのには少し年上だけど、離れてからもずっと、電話したりメールしたり、私を構ってくれる、大好きな人。
帰ってくるってメールが来たのは昨日の夜遅く。
飛び跳ねるほど嬉しかった。