今、こんなにあたしは幸せなのに。

これ以上何を望んでいるんだろう?


「ごめんね…海里……」


弱いあたしでごめんね。

疑ってごめんね。

イヤな女になってごめんね。


涙を手の甲でゴシゴシ拭きながら、白い下着を見て思った。

せっかくお義母さんが背中を押してくれたのに。

あたしはこの下着をつけてもいいの?


真っ白で、何の穢れもない純粋な色。

今のあたしはもう、そんなキレイな心を持っていないから。


疑って嫉妬して、勝手に落ち込んで。

もうあたしの心は真っ黒だよ……。


思わず、黒い下着も手にとった。


「今のあたしには、こっちだよね……」


海里が選んだ白。

心の色の黒。

2つの下着を見比べながら、また涙が溢れだす。


「海里…早く帰ってきて……」


抱きしめてほしい。

ーー弱いあたしを。

包み込んでほしい。

ーー真っ黒な心を。


早く……早く……。