海里が驚くのも、無理はないと思う。

だってあたしもすごく驚いたから。

こんな大胆なプレゼント、生まれて初めてだよ……。


「ああ、これか。おまじない」

「うん」

「で?何で白の下着、つけてないわけ?」

「え?」

「さっきオレ、電話で『白』って言っただろ?」

「うん……」


言葉が詰まったあたしの頬を、海里は両手で包み込んだ。


「なんで?」

「だってあたし…この下着つけるの、相応しくないんだもん」

「どういう意味?」

「嫉妬したり、疑ったり……心が真っ黒なあたしが、白なんてつけちゃダメだって……そう思ったから」


目を逸らすと、今日何度目かの海里の優しいキスが降ってきた。


「海里?」

「美海は白が一番似合うよ。純粋な白が」

「でも……」

「嫉妬するのも疑うのも不安になるのも、全部オレが好きだからだろ?」

「うん」

「美海は今までずっと、オレだけを想い続けてきた。ううん、想い続けてる。何色も混ざらない、純粋な白。美海ほど純粋な女の子、オレは知らない」

「うん……」


海里の胸にしがみついて、静かに泣いた。

でもこれは、悲しい涙なんかじゃない。

嬉しい涙。


27年分のあたしの想いを、海里が認めてくれているから。

苦しかったけど、辛かったけど、切なかったけど……海里だけをずっと想い続けてよかった。

そう思えた瞬間だった。


「よしッ。じゃあ今から風呂一緒に入って、この下着つけて?」

「えッ!?」

「それですぐまた脱がすから」

「ええッ!?」