実は青いプレゼントはサプライズ。

たぶん、海里は想像もしていないと思う。

こんなプレゼントがもらえるなんて。


そしてきっと、チョコレートムースよりも喜ぶんだ。

そんな光景見たら妬けるけど、それ以上にきっとあたしも嬉しい。


「え……」

「可愛いでしょ?」

「これ…?」


想像以上の驚きだった。

言葉を失ってしまうくらい、そのプレゼントは衝撃的だったらしい。


「里海が作ったの」

「マジで…?」

「マジで」


……そう。

もう1つのプレゼントは、里海が自分で作った手作りチョコレート。


『パパダイスキ』と、里海の手をとりながらデコレーションしたハート型のチョコ。

もちろんメッセージを何にするのか決めたのは里海。


「うわッ。マジか……いつの間にそんな大きくなったんだ?」

「里海はパパが大好きだからって。ふふ。あの子ね、あたしになんて言ったと思う?」

「何?」

「『パパのこと大好きだから、里海もチョコ作りたい。ママ…里海、ママのライバル?』だって」


思い出しただけで自然と笑顔になってしまう。

あの時、本当に申し訳なさそうにあたしの顔色を伺った里海。

本気で怒られると思ったのかもしれない。


『パパはママのものだから、ママのチョコしかもらっちゃダメなの』


そう言ってチョコレートムースを作っていた矢先の出来事だった。


「そっか。里海がそんなこと……」

「やだ海里。泣いてるの?」

「バカ。普通泣くだろ」

「あたしのチョコレートムースとどっちが嬉しい?」

「どっちも」

「あっ、二股ーッ!?」

「嬉しい意味が違うだろ!!」