「あー情けねー……。全部計画がパーだよ」

「ふふ。でも幸せ」


チュッと海里にキスをして、あたしはシーツを巻きつけベッドを出た。


「美海?」


早く渡さなきゃ、今日が終わっちゃうから。

あたしはかばんの中から、キレイにラッピングされた箱を2つ取り出した。


「はい、プレゼント」

「え…2つ?」

「赤い箱はあたしが作ったチョコ」

「青いのは?」

「開けたら分かるよ」


海里は不思議そうに首を傾げながらも、まずは赤い箱のラッピングを解き始めた。


「うわ。チョコレートムース?」

「うん。好きでしょ?海里」

「大好きだよ。サンキュ、美海」


嬉しそうにはしゃぎながら、海里は一口口をつけた。


「美味いッ!!」

「そ?よかった」

「美海、来て」

「え?」


誘われるまま近づくと、そのまま引き寄せられてキスされた。


「んんっ!?」


口移しで、チョコレートムースがあたしの口に押し込まれる。


「美味いだろ?」

「んもうッ!ちゃんと味見したから!!」


悪戯っ子みたいに笑う海里が、いつもと違って可愛い。

いつもは誰の目も惹きつけてしまうくらいかっこいいのに。

今は里海そっくりの笑顔。


また1つあたしだけの特権を見つけて、心が温かくなった。


「青いのも開けるよ?」

「どうぞ?」