海は、教室で明を待っていた。明は、先生に呼び出され、職員室に行ったきりまだ帰って来ない。海は、ただボーと窓の外を眺めていた。
その時、教室のドアが開いた。
「あき・・・ら」
そこにいたのは、明ではなく、遥斗だった。
「遥斗・・・なんで?」
海は言った。
「話しあんだけど」
遥斗は言った。
「話し?今さら何?話すことなんか何もないよ」
海は叫んだ。
「俺があるんだよ」
「意味分かんない」
海は言った。
「分かってるよ。遅いってことぐらい。でも、ちゃんと話したいって思ったから」
遥斗は、悲しそうな顔をしていた。
「無理だよ。私、今彼氏いるし」
「知ってる。知ってて、ここまで来た」
遥斗は言った。
「俺・・・・・」
「やめて」
海の低い声に書き消された。
「海?」
遥斗の後ろに明が立っていた。海は、鞄を持ち、
「明、行こう」
海は言った。
「う、うん」
明と一緒に教室を出た。


遥斗を一人、教室に残して・・・・・