「ほら!早く起きて!」

「ん~~~~~」

「もぅ、また目覚まし止めて2度寝??早く起きなきゃ学校遅刻だよ」

「う~~、まだ」

「まだ、じゃないの!」



これはいつもの朝の光景。



起こされてるのは、俺、雨宮璃緒(あまみやりお)。

起してるのは、雨宮那緒(あまみやなお)。

俺の双子の姉だ。



「もぅ!璃緒はいっつも寝坊するんだから!」

「ゴメンって!いつも起こしてくれてアリガトっ」

「ホントに反省してるの?」

「してるよ~」

「・・・ふざけてるでしょ・・・」

「ん~?」

今は学校。

遅刻ギリギリに家を出た俺達は、もちろん学校までダッシュ。

朝から走らされた那緒は機嫌が悪い。

今日は遅刻しなかったから、まだ機嫌は良い方だけど。



こんなのも、いつもの光景。



俺の朝寝坊は毎日のこと。

だけど那緒が先に学校に行ったことはない。

俺が「先に行って」って言っても待っててくれる。



世話やきで

どんなに怒っても

優しい、

優しい

那緒。


『血がつながった兄弟』


そんなこと知ってる。

それでも、昔から俺の中にある感情。


【那緒が好き】


そんな気持ちがずっとあった。