「菊子ちゃん!」
「・・・騒々しいわね」
あれから一週間、お昼になった瞬間に菊子ちゃんのいる更衣室へとダッシュ。
そのかいもあってちょっとずつ会話してくれるようになった。
あたし的には、変わるために頑張ってる・・つもり。
だけど、かっちゃんは帰ってこない。
どこにいるのかも、分からない。
「あ、その卵焼きおいしそうだね」
「食べる?」
「いいの!?」
これって噂でよくきくお昼の醍醐味のおかず交換!?
「代わりにこれ、あげるね」
菊子ちゃんの卵焼きをもらってあたしのたこさんウィンナーをあげた。
本田先輩の手づくり・・だけどね。
何故か毎日あたしよりも早く起きてお弁当を作ってくれてる。
しかもお昼に行かないことに関しては何も言わなくなった。
少しの距離をおいて見守ってくれているようなそんな感じ。
「あなた、最近はいつも一緒にいた彼と一緒じゃないのね」
「・・・かっちゃんのこと、だよね」
「名前は知らないけど、いつも一緒にいたじゃない。目立ってたから誰でも知ってるわ」
菊子ちゃん、転校してきたのにあたしのこと知ってたんだね。
「いなくなっちゃった・・。どこにいるかも分からないんだ」