『じいちゃん!ぼく、ピアノしたい!』




家に帰ってからじいちゃんに必死にお願いした。


俺とみゅうの会話の一部始終を見ていたじいちゃんはニコッと笑って鍵盤ハーモニカを買ってくれた。


持ち運べるから公園でみゅうに聴かせてあげられる!


そう思ったらすごく嬉しくて、疲れて眠るまで練習し続けた。


じいちゃんが教えてくれたきらきら星。


三歳の俺にとっては難しくて、それでもずっと練習していた。


次の日にはみゅうに聴かせてあげたいって。


写真に写っていたようなグランドピアノじゃないけど、


俺はみゅうのお母さんにはなれないけど。


でも、みゅうのそばで何かしてあげたかった。


幼い俺がみつけた、唯一みゅうにしてあげられることがそれだった。