打ち解けてきた頃、みゅうが一枚の写真を見せてくれた。



『これねー?みゅうのママ・・』



みゅうが見せてくれた写真に写っていたのは、みゅうを膝にのせてピアノを弾いているみゅうの本当のお母さんの写真だった。



『みゅうね・・ママのピアノすきなの・・・』



そう言って、みゅうは顔をぐしゃぐしゃにして泣いてしまった。


幼稚園に入ったばかりの、小さなみゅうが泣いたんだ。



『ママ、みゅうをおいていっちゃったのぉぉぉ・・うわぁあああんっ!!!!ママッ!ママ・・ママぁあ!!』



みゅうが、心と体、全部で泣いているのが分かった。


まだ三歳のみゅうが、居場所を失って。


心を押し殺していたんだ。


家族の前じゃ泣けなくて


他人の俺と打ち解けて、やっと泣けたんだろう。


その日、みゅうは顔中涙と鼻水だらけで。


俺は自分の服でみゅうの涙と鼻水を拭き続けた。


幼すぎてその頃は、全部を分かってあげることは出来なかったけど。


みゅうが悲しんでいることは分かった。


そんで、幼いながらに思ったんだ。


みゅうのこと、守ってあげなくちゃって。


みゅうが泣いてると、俺まで苦しい。


みゅうのこと、笑顔にさせてあげなくちゃ。