みゅうと居ると音が生まれるんだ。


それを、ピアノで弾いて言葉をのせる。


俺にとってはみゅうと一緒にいることの次に好きなこと。


俺が初めてピアノに触れたのは、まだ幼稚園に通っていたころで。


きっかけは、やっぱりみゅうだった。


みゅうの家は再婚家庭で、みゅうの本当の母親は早くに亡くなってしまった。


それはみゅうが二歳の頃の話。


幼稚園に入るころには、みゅうの父親が再婚して継母とみゅうの父親と継母との間に出来た妹がやってきた。


ここからは、よくある話で。


継母とその妹にとってはみゅうは邪魔な存在で、家の中にみゅうの居場所はだんだんなくなっていった。


まだ幼稚園にはいったばかりだったのに、みゅうは一人で公園で遊んでいた。


その公園が俺とみゅうが初めて出会った場所。


俺がじいちゃんに連れて行ってもらった公園に、みゅうがいた。


いつも一人で遊んでいるみゅうをみかけたじいちゃんが、同い年くらいである俺を公園に連れていってみゅうと遊ばせたんだそうで。


それからは自然と毎日会うようになった。