中学のとき、初めてみゅうと本田先輩が出会った時から本田先輩は何かにつけてみゅうの元へやってくる。
登校時、休み時間、放課後。
『おい、ブス。今日のパンツ何色だ?』
『おい、ブス。いつにもましてブスだな』
とか辛辣な言葉をみゅうに向けている。
でも、分かってしまったことがある。
本田先輩がみゅうに話しかけるようになってからみゅうのクラスの男子たちはみゅうのことをからかったりしなくなった。
元々怖いと恐れられていた本田先輩が可愛がっている後輩に変に手を出す奴はいない。
向ける言葉は辛辣だけど、本当はみゅうのことを守るために向けた先輩なりの精一杯の優しさだ。
俺が、守りたかった。
みゅうのことを。
みゅうが守られることは良いことだし、感謝してる。
でも、それでも思う。
俺が、みゅうを守れてたらって。
みゅうの傍にいたのは俺なのに、いとも簡単にみゅうの周りの男子を威嚇してしまった本田先輩が羨ましい。
何も出来ていなかった自分が恨めしい。
悔しい、悔しい。
こんな醜い嫉妬、みゅうには知られたくない。