「かっちゃんの馬鹿・・・。どれだけ探したと思ってるの?かっちゃんがいない間、あたしがどれだけ泣いたと思う?」



みゅうが・・・泣いた。


俺のせいで、泣いていた?


そんなことを望んでいたわけじゃないのに。


むしろ、その逆で。


俺がしたことは・・・みゅうを傷つけてたのかな。



「ごめん、みゅう。泣かせたくなんか・・・なかったんだ」



俺の願いはただ一つ。


みゅうが笑顔でいることだったのに。



「かっちゃんは、あたしの気持ちを全然分かってないよ」



いつだったか聞いたことのある言葉だな。


ああ・・・。


本田先輩が言っていたんだ。



“お前、なんも分かっちゃいねぇな。ブスの気持ちをよ”



って。




「ごめん、みゅう。ごめん・・・自分勝手だったよね、俺」




みゅうのためを思って離れたつもりだったのに。


本当は俺が怖かっただけだったんだ。


変わっていく俺の姿をみゅうに見せたくなくて、みゅうを守れない自分を認めたくなくて。


本田先輩に惹かれていくみゅうを・・・見たくなくて。


みゅうのためになんて言いながらも自分の事を守るための言い訳だった。


そのせいでみゅうを泣かせた。


みゅうと離れていた数か月間


俺がみゅうを恋しく思って心が張り裂けそうだったとき、みゅうも俺を思って泣いていたんだ。


辛い思いを・・・俺がさせていたんだ。




「一人でなんでも決めないで・・・お願いだから、あたしになんでも言ってよ」



もう顔が真っ赤なのに、それでもみゅうの涙はとまらない。


ごめんね、ごめんね。


何回もそう謝った。


そしたらみゅうは



「ずっとずっと傍にいさせてくれるなら、許してあげる」



そう言って泣きながら笑ったんだ。