瞳を閉じた、その瞬間。
「かっちゃん」
聞こえてきたのは大好きでしかたのない声だった。
ついに幻聴?
みゅうの声が聞こえてくるなんて。
笑えないよ、本当。
恋しくて恋しくてしかたのない声なんだから。
涙が出てくるっての。
「かっちゃん」
あー、もう。
本当に焼きが回ったかな。幻聴にしてはリアルすぎるよ。
「かっちゃん!!死んじゃヤダよ!!ダメ!!起きて!!」
ペチペチ
頬を叩かれる感触に瞳を開ければ・・・
「・・・・みゅう」
目の前にいたのはみゅうだった。
「夢、なのか?」
目の前にみゅうがいるなんて。
ずっと、会いたかった人がいるなんて。
俺の都合の良い夢じゃなければ、なんだっていうんだ。
「良かった・・・ちゃんと返事くらいしてよ・・・死んじゃったのかと思ったよぅ」
ぽたぽたと俺の頬に落ちてくるあたたかい雫。
ああ、みゅうだ。
本物の、みゅうだ。
「みゅう・・・」
そっと手を伸ばしてみゅうの涙をぬぐう。
拭っても拭ってもみゅうの涙が止まることはなくて。
かける言葉もみつからなくて。
俺はその涙を受け止め続けた。