「あなたのオリジナルの曲、譜面におこしておいてね。編曲も検討しなくてはいけないから」

「はい」



あれから一か月の時がたった。


俺のCDデビューが刻一刻と近づいていく。


それと同時に体が動かなくなっていく。


顔色が悪いのが自分でも分かってしまう。




「くっ・・・」




夜、眠れずに譜面に起こしているとやってくる吐き気と頭痛。


抗がん剤治療の副作用だけではなくて、俺の体が悲鳴をあげているのが分かる。


多分だけど、残された時間はそう多くない・・・。


こうして起き上がっていられなくなる日がくる。


ペンを握る力もなくなっていくのだろう。


いつまで、ピアノを弾けるかな。


みゅうへの想いをカタチに出来るかな。


急がないと・・・。


中途半端じゃ終われない。


終わるわけにはいかないんだ。