――『ねぇ、慎っ!』 思いきって前を歩いている慎に声をかける。 「…ん?」 『……慎はどこまで知ってるの?』 ――あえて何を知っているの?とは聞かなかった。 慎は絶対その何かを知って私に隠している。 ――「慎っ!せっちゃん早くっ!」 前を歩いていた勇悟が拓から貰った紙袋を片手に叫んだ …慎は一瞬何か言いたそうな表情をしたが、そのまま幹部専用部屋へ入って行ってしまった。 ―――私には言えないことなのだろうか―――