――「…せっちゃんっ!」



暫くして拓が荷物を持ってロビーに来た。



『拓、ごめんね。疲れてるのに…』



「良いよ、良いよ。


その代わりせっちゃんの家に泊まって良い?」



『はっ?』



…と、泊まるんですか…。



「どうせ、引っ越してからも一人暮らしでしょ。」



桜ヶ丘高校に転校する前に私は今住んでいるマンションに引っ越して来た。



拓も引越したことを知っていたとしても今住んでいる場所は知らないらしい。