――『…拓』



私の携帯電話を持った壁にもたれた拓だった。



…ブーブブ…



『…ぁ…』



拓の左手には、私の携帯。



右手には、拓の携帯が握り締められている。



そして拓の左手に握り締められている私の携帯がバイブで鳴っている。




――「――せっちゃん…」



そう私の名を呼んで来た拓。



"せっちゃん"



勇悟以外に私をそう呼ぶもう一人の人物。



『…拓』



「…久しぶりだね。」



拓にばれた