――…それは置いといて。

(否、実際はどうでもよくないのだけれど。)



「正しくは"石頭"ではなく"頭が固い"だと思われます。

無理して苦手な日本語使わなくてもいいんですよ水谷さん」



聞き捨てならない彼女の間違った日本語をやんわりとそれとなく訂正してみます。

こんな風に自分の浅はかさをひけらかさなくても、十分日頃の行いで彼女の頭が弱いことは知っています。周知の事実です。心配は無用です。