「先輩は暇じゃないの?」 私の座る机の目の前にしゃがんで、 見上げるようにして顔をこちらに向ける。 「そんなのないよ。受験生だもん」 ほんと、受験生ってこんなにきついものだったんだね。 腕を伸ばして、ぐっと体を伸ばす。 なんだかあまりにも気持ちが良くて、 「大変なんだね、受験生」 人事みたいにけらけら笑う。 …いや、人事なんだけどさ。 「ね、そーいえばあたし、名前聞いてないんだけど」