はらはら、 はらはら 落ちては手のひらに溶けていく雪に 遠く走る自転車は 景色を彩る とりとめのない事を 考えながらぼんやり進む くちびるから もれる 淡く白い息 しんと底冷えしない程度に体をさす冷たさ 聞き慣れた声が聞こえたような気がして 陽奈は後ろを振り向いた