――――チチチ…
カーテンの隙間から差し込んできた光が、夢の中へ入ってきた。
「ん…」
目をうっすらと開けると、部屋の天井が目に入る。
しばらく天井を見て、現実と夢に境目を作る。
ゆっくりベッドから起きて、カーテンを開けるとまぶしいくらいの朝日が部屋に差し込んできた。
「泉海! 朝よ、起きなさい」
「もう起きてるよ!」
一階からお母さんの声が聞こえて、そう叫ぶ。
――風間 泉海(カザマ イズミ)
新 高校一年。
ゆっくり窓に手を伸ばし、鍵を開け、窓を開ける。
「っ…!」
肌寒い風がビュウッと吹いて、前髪を揺らした。
――ガチャ
それと同時に部屋のドアが開く音がして、振り返った。
「もう。 起きてるなら早く降りてらっしゃいよ。 今日は入学式でしょう?」
入ってきたのはお母さんだった。
「はぁーい。」
私はそう言って先に部屋を出ていったお母さんの後を追って行った。