外は薄暗く、まだ多くの人が歩いている。部活を終えた学生たちや仕事帰りのサラリーマンが騒いでいて賑やかだ。
そんな賑やかな表通りから
少し外れた路地。
そこは裏世界(ゲヘナ)と呼ばれ
政府も警察も手がだせない
無法地帯だ。
そんな場所にある
一軒の古いビルに俺は入った。
(相変わらず汚いな…)
俺は掃除なんて何十年もされていない階段をあがった。
ガヤガヤガヤ…
階段を上がるに連れて
賑やかな声が聞こえてくる。
ビルの最上階に着くと
一つの扉がある。
その前で俺は
かぶっていたフードを
より深くかぶり顔を隠した。
そして
ガチャン…
扉を開けた。