屋上にのぼると、
すでにもう亜月は来ていた。

気づかれないように、
小さく息をはいて近づく。


「亜月。」

俺がそう呼ぶと、
驚いたような顔をしてこっちを見てきた。


・・・そんな顔すんなよ・・・。


「いきなり呼び出したりしてごめん」

「ううん」

と亜月は首を横に振った。

「その・・・最近亜月様子がおかしかったから・・・」

思っていたことをそのまま口に出した。

「えっ・・・気づいてくれてたの・・・?」

「気づかないわけないじゃんか。
 いつも落ち込んでるみたいだったし・・・。
 それに・・・それに、
 俺はいつでもお前を見てる」



・・・これがホントの

‘気持ち’―――。